【読書感想】イヴの七人の娘たち 遺伝子が語る人類の絆
イヴの七人の娘たち 遺伝子が語る人類の絆
ブライアン・サイクス (著), 大野晶子 (翻訳)
ASIN : B08DD1P9RT
出版社 : 河出書房新社 (2020/2/6)
発売日 : 2020/2/6
を読んで。
本書は、イギリスの遺伝子科学者による人類のルーツの謎に迫った本である。
生物のミトコンドリアに保存されている遺伝子は約1万年ごとに突然変異が発生する
この遺伝子を調べ体系化することで、人類の足跡をっていくということだ。
この遺伝子というものは、母親から子供へ受け継がれる。
そう、母親からのみなのである。
ここがポイントである、家の相続は男親だが、生物的な相続は実は女性から女性のみに受け継がれてゆく。
なので、女性が女性ひとりを生んだ場合はその家系が継続されるが
男性しか産まなかった場合、その人類の家系は途絶えることになる。
よって、生物的な家系というものは女性が複数生まれない限りは広がらないということになる。
これを逆に追っていくことでヨーロッパでは7人の女性に行き着く。
なので、さかのぼり可能な家族的な先祖というものは、これしかいないのである。
どれだけ家系が絶たれてきたのだろうか。
ちなみに日本人は95%が9人の女性に行き着くらしい。
ヨーロッパと日本の人口比と7人と9人を比較してみると
やはり日本というのは民族的には分散も消滅もしづらい継続できている民族なのであろう。
ということを考えると、隣に座っているいけ好かない同僚であっても許せ…
ないよなぁ
だってにんげんだもの。
でも、多少は優しくしてあげようぜ。
長い目でみたら兄弟じゃねぇか。
まぁ、冗談はさておき。
そういった観点で本書を見てみると、結婚して子供作って、子孫を残していくっていくのって大事なんだな。と。
女性しか生まれなくて、氏族的な意味での家系は途絶えても血族は確実に受け継がれていくのでそれはそれで実に誇らしく生きれるという、前向きな解釈もできる素晴らしい本でありました。
皆さん、一読あれ。
あと、サンプルから回収した遺伝子を増幅させるためにPCR検査のPCRが出てくる。
このPCRの方法が確立したのもこの遺伝子調査のため。
確かに、サンプル内にウイルスが一個でもアレば増幅してくから
陽性=感染とは違うってことが理解もできたので、そういった意味でも読んでよかった。