【庭園】遠州 田中城 本丸櫓【藩の規模】

Youtube 水無月の日本探訪記
【庭園】遠州 田中城 本丸櫓【藩の規模】
https://youtu.be/kEHUQqlftq8

 

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昨日に引き続き田中城について。

ここで見るべきものはこの美しい菖蒲の庭園と展示品。

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当時の藩という組織の規模を理解するには最適な資料がある。
この田中藩は最終的に4万石(実質5万石)の規模になるそうだが
藩の構成人数を見ていただきたい。

そもそも経営先の領地が飛び地であること
それぞれに配置している人員を足しても600人に満たない。
時代劇のイメージでどこの藩も数万人いるようなイメージを持っているが、実際はこの規模ということ。

今で言う大きめの中小企業と同じ規模よね。
拠点3つくらいある会社の規模も同じくらいじゃない。
時代によっても藩の数というものは変わってくるが
4万石の規模というのは全体の藩数にたいし真ん中くらいの規模。
藩の石高一覧みてみると上位層が大きすぎるのであるが。
しかし、藩の石高一覧をみてみると幕府というのは内閣総理大臣みたいなもので意思決定機関でしか無いのもよく分かる。
戦争前からずっと日本は合議制だったってのも頷けるよな。

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さらに、見るべきものは領主と農村の資料。
藩といえど全てが藩の所有する領地かというとそうでもなく
様々な領主が藩内に土地を持っているということ
たった4万石の藩の内情がこのような複雑に入り組んだ権利者の構造しているんだから、日本全国こんなこんなかんじだったと思うと、今の世の中の構造は素晴らしく簡略されているのもわかる。
藩は一つの国だといっても納得する。
これだけ藩内で複数の利害関係があるということはその分イザコザも多いということ。
現代においてでも隣近所との諍いは耐えないというのに、道挟んだら他国レベルで仕組みが違うところで争いがおこらないわけがない。

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稲の成長なんて地域で変わるのに、道挟むだけで税率変わるとかやってられます?
その諍いを収めるのに400人のうち数名が奔走するわけじゃない
当時の中間管理職も大変だったろうなぁ。
江戸時代は江戸の処刑場で毎日2~3組が処刑されていたというがこういう社会構造を知ると納得しないでもない。

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こういうところを見ても当時から統治するシステムは完成してたんだな。
ま、それだけ地域間で衝突させガス抜きをし、幕府側に矛先を向けさせない仕組みをつくり、戦争の無い世の中で武士に仕事を与えるためにこういった民衆間での問題を発生させ、武士に解決させていたんだろうなぁと思っている。
行政の仕組みは変化しているが、社会構造や本質的な部分では江戸時代から何も変わっていないのが現代なんだろうな。

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200年か300年くらい統治した実績のある統治システムなんだから踏襲しないわけがないよなぁ。
繰り出す一手の内容が違うだけで、娯楽に興じさせ本質から目をそむけさせる今の構造と全く変わらん。
ガス抜きのために不要な概念を一個与えりゃ勝手に喧嘩しだすんだもん、思い当たるでしょ。そういうの。

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と、この田中城を見て思いましたとさ。

 

<田中城本丸櫓へのアクセス>

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たそがれ清兵衛は非常に素晴らしい映画でした。

感動します、幕末の小藩に所属し運命に翻弄される武士を描いた作品です。

 

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